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危険物輸送の物流動態を可視化、化学品WGが業界初の試み実施して

 経済産業省・国土交通省が主導する「フィジカルインターネット実現会議」内の化学品ワーキンググループ(化学品WG)は、参加する荷主企業15社から各社の物流実績情報を同一の定義・粒度で集め、危険物有姿品(バルク以外の個包装品)の物流動態を業界で初めて全国規模で可視化した。

 危険物の輸送に関しては、専門知識(関係法令、物性、トラブル時の対応等)と豊富な経験が求められるほか、近年のドライバー不足など物流環境変化の影響を受けやすく、化学品業界における危険物輸送の中長期的な安定確保は喫緊の課題となっている。こうした課題に対し、個社単独での対応には限界があり、業界全体での取り組みが求められていた。

 しかし、これまで業界内の物流の実態を網羅的に把握することが困難であり、優先して取り組むべき課題の整理や具体的な施策検討が進みにくい状況にあった。

 こうした状況を踏まえ今回のプロジェクトでは、主要な危険物荷主企業が連携し、各社の物流実績データを持ち寄ることで、全国規模で業界全体の物流構造を可視化し、危険物輸送の中長期安定化に向けた実効性のある施策検討につなげることを目的としたもの。

 化学品WGの参加荷主企業15社は、データ項目や定義を統一したうえで、各社1年分の物流実績情報を提供。これらのデータを元に、化学品WG座長である流通経済大学の教授らに分析・可視化を委託し、現状の物流構造を荷主間で共有した。また、今後も継続的に業界内での施策検討を進めるため、競合関係にある荷主間であっても共有可能な形にして、独占禁止法に配慮したデータ整備を実施した。

 今回の分析では、(1)西日本から中京・東日本への輸送量が多い一方で、復路の貨物が少なく、輸送バランスに偏りがあること、(2)全国の多くの市区町村において5社以上の荷主が個別に納品している実態が確認され、今後それらの複数荷主による共同保管や共同配送検討の余地があること、が分かったという。

 今回の結果を踏まえ、輸送密度の低い東北・九州エリア、および、主要な需要地で同エリア内の輸送が多い関西エリアを優先検討対象とした。

 今後は荷主と物流事業者あわせて計28社が連携し、物流事業者が主体的にリーダーシップを発揮して取り組みを推進するとともに、荷主と物流事業者が一体となって、各エリアにおける共同集配、共同保管、中継拠点の活用など、実装を前提とした物流スキームの設計・検証を進めていく。

 また、標準パレットの活用や納品リードタイムの見直しのほか、化学品物流情報標準ガイドラインの適用など、これまで化学品WGで取り組んできた施策もあわせて展開していき、業界全体での危険物輸送の中長期輸送安定化と共同物流を加速していくとしている。


#事業支援

Last Updated : 2026/07/03
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